TMA
熱機械分析、TMAは、試料が温度変化に伴って示す形状変化を高精度に測定する手法です。試料に一定の荷重を加えながら加熱または冷却し、その過程で生じる膨張や収縮、軟化などの挙動を観察することで、試料の機械的特性を明らかにします。
TMAの測定モードには、試料の形状や目的に応じて次のような種類があります。
圧縮荷重モード:ブロック状試料に荷重を加え膨張や収縮を測定します。
引張荷重モード:フィルムや繊維状試料に引張荷重を加え、 膨張や収縮を評価します。
ペネトレーションモード:針状のプローブで試料に荷重を加え、軟化挙動を測定します。
このような測定モードを用いて、以下の特性を評価できます。
①線膨張係数(CTE):材料が温度変化によりどの程度膨張または収縮するかを示す指標で、異種材料の組み合わせや熱応力解析に重要です。
②ガラス転移温度(Tg):ポリマーなどが硬いガラス状態から柔らかいゴム状態に変化する温度で、材料の使用温度範囲を決定する際の重要なパラメータです。
③軟化点:材料が加熱により柔らかくなり始める温度で、加工性や耐熱性の評価に用いられます。
④焼結挙動や硬化反応:セラミックスや熱硬化性樹脂などの焼結温度や硬化時間の評価に利用されます。
TMAは、プラスチック、ゴム、樹脂、セラミックス、ガラス、金属、複合材料など、さまざまな材料の機械的特性を評価できるため 、材料開発、品質管理、製品設計などの分野で広く活用されています。

リガクおすすめの製品
