結晶化度解析とは
材料の物性を決定づける重要な要素の一つに「結晶化度」があります。結晶化度とは、原子や分子が規則正しく配列した「結晶構造」を持つ結晶相の割合のことで、この値によって物質の機械的特性や熱的特性が変化します。たとえば、高分子材料では結晶性が高いと強度や耐熱性が向上し、製薬分野では結晶性が薬剤の溶解度や吸収率に影響を及ぼします。
結晶化度を定量的に評価する代表的な手法の一つが「X線回折法(XRD)」です。
X線回折法による結晶化度の解析
X線回折法は、X線を試料に照射し、回折パターンを解析することで結晶構造の情報を得る手法です。結晶部分では規則的に並んだ原子がX線を特定の方向に回折させるため、シャープなピークが観測されます。一方、非結晶(アモルファス)部分では散乱が広がり、ぼやけたハローとして検出されます。このパターンの違いを利用して、試料の結晶化度(結晶部分の割合)を算出できます。
X線回折スペクトルにおいて、結晶由来のピーク強度の総計(Ic)とアモルファス成分の散乱強度(Ia)を分離し、以下の式で結晶化度(Xc)を求めます。
Xc(%) = (Ic / (Ic + Ia)) × 100
この手法は、ポリマー、金属、セラミックス、半導体、医薬品など、幅広い分野で活用されています。
X線回折法による結晶化度解析は、材料の品質管理や研究開発に不可欠な技術です。本手法を活用することで、製品の性能向上や新材料の開発に貢献できます。

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