世界のリガク vol.3

グローバルで安定したリガク・クオリティの製品とサービスを提供するため、日本から世界各国の拠点に駐在している社員をご紹介します。
第3弾となる今回は、2022年11月からサービスサポートマネージャーとして、Rigaku Europe SE(RESE,ドイツ)に赴任している澁谷 亮太(しぶや りょうた)さんをご紹介します。
【Q】現在の業務内容を教えてください。
【A】主にWDXRF(長分散型蛍光X線分析装置)の技術サービスを担当しています。客先はEMEA(Europe, the Middle East and Africa)地域全体に広がっているため、直販地域のドイツやフランスなどに限らず、各国の代理店のエンジニアからの技術的な質問やエンジニアのトレーニングの依頼を受けています。経験が少ない代理店のサポートのためにヨーロッパや中東の各国に出張することも多いです。業務内容は納入・メンテナンス・技術トラブルといったサービス案件から、測定サンプルにあわせたキャリブレーションや装置置き換えについての相談など多岐にわたるため、サービスの垣根を越えてアプリケーションや営業とも頻繫に連携を取っています。
RESEオフィス内のラボにて、現地代理店スタッフのトレーニング
【Q】駐在することになったきっかけ、経緯を教えてください。
【A】 イタリアの大学の修士課程に通っていたためヨーロッパに残りたいという気持ちが入社前からありました。パンデミックのため大学をあきらめて日本に帰って就職活動をすることになったときに、リガクの採用面接にて海外に駐在できるエンジニアを募集しているということを聞き入社を決意し、そのときから赴任を目標にしたいという希望を伝えていました。
【Q】業務のなかで、やりがい・達成感を感じることを教えてください。
【A】社内外で常に様々な言語・文化・宗教の人とコミュニケーションを取っており、世界中とつながっていることを実感しています。また、各代理店のエンジニアとともに仕事をしていく中で気さくに様々なことを話し合える関係を築いていくことで、新規案件の発掘やサービスの質の向上といった点でリガクにも代理店にも貢献できているというやりがいがあります。
大手の石油系の顧客へのサービス訪問のため、サウジアラビアのジェッダへ出張。
仕事の前後に代理店スタッフにもてなしていただきました。
【Q】業務のなかで、困難に感じることを教えてください。
【A】 実務経験が少ないまま入社から1年ほどで赴任したため、赴任直後はRigaku Corporation(RC, 本社・日本)のサービスのチームにサポートしていただいて自身のスキルアップを急ぎながら、自分よりも経験年数が長いエンジニアたちをリードしていかなければならず、一通りの業務を自信を持って進められるようになるまでは苦労しました。 RESE内でXRF(蛍光X線分析)のスタッフはかなり少人数で、出張中であってXRFのサービス案件を私一人で対応しなければならない場合が多いためなかなか気が抜けないです。また、時差のためにRCと連絡を取れるのが朝の数時間に限られているのも、急ぎの案件がある際は挑戦になることがあります。
【Q】駐在先オフィスの雰囲気や、生活圏の様子、日本との違いについて教えてください。
【A】オフィスでは服装は自由です。スタッフはみなキッチンからコーヒーやスナックを好きに取ってきて、飲食したり雑談したりしながら仕事をしているので、日本に比べるとかなりリラックスした雰囲気です。 RESEオフィスがあるフランクフルト郊外のノイ-イーゼンブルグ (Neu-Isenburg) という町に住んでいます。自然に囲まれて落ち着いた雰囲気でありつつも、空港や都市部には近く、便利で生活しやすい方だと思います。ですが、ドイツの交通機関はあまり機能しておらず、出かける際は常にトラブルと隣り合わせなのには困っています。また、毎週日曜日にスーパーマーケットも含めてほとんどの店が閉まっていて、2年経ってもいまだに慣れません。 RESE周辺は東京や大阪よりもやや涼しいくらいなのですが、一年を通して雨が降っている日が多い気がします(ちなみに出張先を含めると、氷に閉ざされた北欧から50℃ほどになる中東の砂漠までかなり極端です。)
RCからの出張者と一緒にRESEサービスチームでディナー。
【Q】休日は何をして過ごしているか教えてください。
【A】週末は外国人の友人と会っていることが多いです。英語を話すコミュニティにいるとアフリカからの元難民との出会いが多く、日本では聞かないような壮絶な経験をしてきた友人たちからいつも刺激をもらっており、毎週退屈することはありません。 一人の時間は家でヴァイオリンやヴィオラを練習しています。 大学での専攻の影響か西洋史が好きなので、休みが取れた際はヨーロッパ周辺の各国の文化財をめぐっていて、出張とプライベートを合わせると訪問した国の数は60ほどに上ります。
ドイツ人の友人に誘ってもらって参加したオーケストラのリハーサルの様子。
休暇で訪れたアルメニア、世界遺産のサナインにて。
【Q】最後に、駐在中に実現したい夢や目標について教えてください。
【A】現在RESEの組織の規模が急激に拡大しているため、サービス部門としても各スタッフがより機能的に助け合えるチームを作り上げることを目指したいです。新人や代理店のエンジニアへの研修をより効果的に行えるよう、RESEのトレーニングルームの設備や技術資料などを改善していくのにも貢献したいと思っています。
澁谷 亮太さんのバックグラウンドをご紹介

学部時代は国内の大学の理学部で物理化学を専攻していましたが、その後イタリアの大学で理学の知識を応用して文化財の保存・修復について学び、修士論文では質量分析による弦楽器のニスや糊の研究をしました。リガク入社後は赴任までに各工場やOJTにてXRD(X線回折)とXRFのサービスについて研修を受けました。
※photo / エチオピアに行った際に買った民族衣装を着て、アフリカ出身の友人たちと写真。
