高分解能3D X線顕微鏡による セラミック複合材中の成分の可視化

    Application Note B-XRI1007

    はじめに

    複合材(コンポジット材)は2種類以上の素材を組み合わせて作製されます。X線CTでは、試料に吸収されたX線の量の違いが画像の濃淡になるため、たとえば、セラミックス、樹脂、空隙は異なる輝度値で表現されます。X線CTの一つである高分解能3D X線顕微鏡はサブミクロンスケールの分解能で試料を撮影し、その内部の構造を3次元的に拡大表示します。これにより、複合材の特性に影響する各成分の分散状態、素材の境界面の剥離の有無、空隙の大きさを確認できます。ここではセラミック複合材を撮影して各成分を可視化し、体積分率を算出しました。

    測定・解析例 

    高分解能3D X線顕微鏡 Mo線源で、セラミック複合材を2時間で撮影しました。CT再構成結果のスライス画像では、セラミック複合材に含まれる SiO2粒子、CaCO3粒子、樹脂、空隙が異なるグレー値で表現されています(図1)。  輝度値に基づいてCT画像を細分化(セグメンテーション)し、成分ごとに着色しました。さらに3次元画素の体積の 合計から、各成分と空隙の体積分率を算出しました(図2)。このように、高分解能3D X線顕微鏡では複合材に   含まれる数~数十ミクロンスケールの粒子をとらえ、3次元的に可視化することができます。

    セラミック複合材のCT再構成結果 (a)断層画像と(b)立体画像(一辺は300 μm)

    図1 セラミック複合材のCT再構成結果 (a)断層画像と(b)立体画像(一辺は300 μm)

    セラミック複合材のセグメンテーション結果 (a)断層画像、(b)立体画像と各成分の体積分率(一辺は300 μ

    図2 セラミック複合材のセグメンテーション結果 (a)断層画像、(b)立体画像と各成分の体積分率(一辺は300 μ

    推奨装置

    • 高分解能3D X線顕微鏡 nano3DX

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