NEX QC による 珪砂中酸化鉄(Fe2O3)の分析
Application Note
XRF3028
はじめに
珪砂試料は、ガラス製品、特にガラス瓶の原料として用いられています。ガラス中に含まれる鉄の含有率は、製品の色を決める大きな要因のひとつで、例えば、透明なガラス瓶には鉄が低濃度の珪砂が、アンバー色(琥珀色)のガラス瓶には鉄が高濃度の珪砂が用いられています。従って、ガラス製品の品質を保つ為に、採石場および製造工程の双方にて、正確に鉄含有率をモニタリングすることは非常に重要です。エネルギー分散型蛍光X線分析装置 NEX QC(ネックス・キューシー)は、シンプルな操作で簡単に珪砂中の鉄含有率が分析でき、最小限のコストで信頼性の高い品質管理を行うことができます。
図1 NEX-QC
分析結果
標準物質7点を用いて検量線を作成しました。試料の「標準値」と作成した検量線による「測定値」を表2、相関図を図2に示します。
表2 珪砂中酸化鉄の分析結果
図2 酸化鉄の標準値と測定値の相関図
また、繰り返し再現性を確認するために、標準物質のうち、試料A(酸化鉄含有率0.0151 mass%)、及び試料G (酸化鉄含有率0.1210 mass%)の単純10回繰り返し測定により得られた再現性確認結果を表3にまとめます。
表3 珪砂中酸化鉄の再現性確認結果
まとめ
NEX QCを用いて珪砂中酸化鉄の分析を簡便・迅速に行えることを確認しました。NEX QCは小型サイズながらも低コストで高精度な分析ができ、現場でのスクリーニング分析に加え、ガラス瓶製造工程の品質管理分析にも対応できる非常に有用な装置です。