CT 断層画像と立体画像によるLED パッケージの故障部位の特定
Application Note
B-XRI1003
はじめに
マイクロX線CTでは物体を透過したX線の投影像を再構成し、微小な物体の立体的な拡大像を得ることができます。この再構成画像を2次元の断層画像として表示したり、3次元の立体画像として表示したりすることにより、非破壊で物体内部の構造や欠陥部位を容易に調べることができます。ここでは、故障したLEDパッケージをCT撮影し、内部の故障部位を特定した例をご紹介します。
測定・解析例
マイクロX線CT、分解能1.3 μm/voxelで、故障したLEDパッケージ(図1)を約6時間で撮影しました。図2には再構成結果の断層画像を表示しました。このような2次元表示では、試料を実際に切断したかのような任意の位置での断層画像を確認できます。約200 μmのLEDチップの一部に欠損が確認されました(図中矢印部分)。図3では同じ再構成画像を3次元表示しました。このような立体画像にすることで、断層画像表示ではわからない、LEDチップとボンディングワイヤの位置関係やボンディングワイヤの断線箇所がわかります。この例では、ボンディングワイヤの断線か所が確認されました。このように、マイクロX線CTでは微小な物体の内部構造を拡大して観察することができます。観察対象の位置、形状の確認や、距離の計測も可能です。
図1 故障したLEDパッケージ
図2 LEDパッケージの断層画像
図3 LEDパッケージの立体画像
推奨装置
- 3DマイクロX線CT CT Lab HX