エネルギー分散型蛍光 X 線分析装置 NEX CG II 食品、飼料中のミネラル(Na, Mg)分析

Application Note B-XRF3033

はじめに

食品

食品及び原材料に含まれるミネラル成分は身体の成長や健康に影響するため、その組成は分析、管理されています。畜産用の飼料も 同様にミネラル成分を管理されています。エネルギー分散型蛍光X線分析装置である NEX CG II は、2次ターゲットを装備した偏光光学系を採用している装置です.一般の直接励起型のエネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX) と比べ、スペクトルの PB比(ピークとバックグラウンドの強度比)に優れており、感度の良い分析ができます。またナトリウム (Na)、マグネシウム(Mg)の蛍光 X 線を選択的に発生させることができる軽元素用2次ターゲットにより、他元素の影響を排除し、優れたPB比で確実にNa, Mgを分析できます。今回食品、飼料を想定した試料中のナトリウムとマグネシウムを分析した例を紹介します。

測定・解析例

試料にはNaとMgを含む認証標準物質NIST SRM 1570a、 NIST SRM 1515、 NIST SRM 1577b、 ブランク試料としてセルロースを使用しました。あらかじめ粉砕した試料を、加圧成形法にて調製しました。図1に直接励起方式のEDXのNaとMgのスペクトル、図2に偏光光学系であるNEX CG IIのスペクトルを示します。
直接励起方式の場合、X線管ターゲットの特性X線由来のエスケープピークや試料に含まれる塩素(Cl)由来のCl-Kβエスケープピークが、微量のNaやMgの検出、分析を困難にします。
一方、偏光光学系のNEX CG IIでは、軽元素用ターゲットを使用することで、選択的にNaとMgの蛍光X線を発生させるため、X線管由来のエスケープピークや試料由来のClのエスケープピークの検出が大幅に低減されます。このため、上記エスケープピークの影響を受けることなく、1 mass%以下の微量のNa, Mgも容易に検出可能です。

生体試料の定性スペクトル(直接励起型EDX)

図1  生体試料の定性スペクトル(直接励起型EDX)

生体試料の定性スペクトル(NEX CG II)

図2  生体試料の定性スペクトル(NEX CG II)

推奨装置

  • エネルギー分散型蛍光X線分析装置 NEX CG II

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