Cu線源とデスクトップX線回折装置を用いた 鉄酸化物の低バッググラウンドプロファイル測定

Application Note B-XRD1127

はじめに

Cu線源は安価で、優れた熱伝導性を有する銅を利用しているため、効率よくX線を発生します。特に、Cu線源の特性線Kα1線の波長はd = 0.82 Å (2θ = 140°)の格子面間隔まで観測することができるため、原子レベルでの結晶構造観察にも適しています。これらの長所がある一方、Feを豊富に含む化合物はFe原子から生じる蛍光X線によりバッググラウンドが高くなるため、微弱な回折ピークがバッググラウンドに埋没してしまうという問題があります。ここでは、酸化鉄を用いて、Cu線源でも低バッググラウンドの回折プロファイルを測定できる、エネルギー分解能の高い検出器の測定例をご紹介します。

測定・解析例

線源と検出器のエネルギーモードにおけるFe2O3の規格化したプロファイル

図1.線源と検出器のエネルギーモードにおけるFe2O3の(a)回折プロファイル および (b)バッググラウンドで規格化したプロファイル
(stdは標準モード、XRFは蛍光低減モード)

管球と検出器のエネルギーモードにおけるFe2O3のQ ≈ 2.3 Å-1ピークのP/B比

表1 管球と検出器のエネルギーモードにおけるFe2O3のQ ≈ 2.3 Å-1ピークのP/B比
(stdは標準モード、XRFは蛍光低減モード)

推奨装置

  • デスクトップX線回折装置 MiniFlex
  • 高速一次元X線検出器 D/teX Ultra
  • ハイブリッド型多次元ピクセル検出器 HyPix-400 MF

お問合せ

製品選びから据付後の技術サービスまで、何でもお気軽にお問合せください。