デスクトップX線回折装置を用いた 微量試料の結晶相同定

Application Note B-XRD1060

はじめに

デスクトップX線回折装置は、小型かつ冷却設備不要で、上位機種の粉末X線回折装置に迫る高分解能と高角度精度の回折プロファイル測定が可能です。さらに、無反射試料板を利用すると1mg以下の微量試料でもバッググラウンドの低い回折プロファイル測定が可能で、微小ピークの観察が容易になります。ここでは、デスクトップX線回折装置にて得られた微量試料の回折プロファイルを用いて、結晶相を同定した例を示します。

測定・解析例

図1と2に、コランダム(重量0.2 mg)とぜんそく発作予防薬のテオドール錠の微量粉末(重量0.05 mg)を無反射試料板に載せて測定した回折プロファイルと定性分析結果を示します(測定時間:約1分)。両試料とも、短い測定時間で定性分析に充分な回折強度が得られました。特にテオドール錠の微量粉末では、有効成分のテオフィリン無水物ととともに賦形剤の乳糖も確認されました。以上のように、デスクトップX線回折装置と無反射試料板を使用することで、ごく微量の試料でも、短時間で結晶相の同定に充分なX線回プロファイルを測定することができます。

 0.2 mg のコランダム粉末試料から得られたX線回折プロファイルと定性分析結果

図1 0.2 mg のコランダム粉末試料から得られたX線回折プロファイルと定性分析結果

 0.05 mgのテオドール錠から得られたX線回折プロファイルと定性分析結果

図2 0.05 mgのテオドール錠から得られたX線回折プロファイルと定性分析結果

推奨装置

  • デスクトップX線回折装置 MiniFlex

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