金属粉末の熱伝導率測定
Application Note
B-TA4005
はじめに
超硬合金は主に、粉末冶金法という特殊な製法で作られています。粉末冶金法とは、鉄の様に熔解や、削ったりして所用形状を得るのではなく、金属粉末をプレスした後、焼き固めて所用形状を得る方法です。最終製品の物性は、出発原料である金属合金粉末の特性に影響され、熱伝導率もその重要な要素となります。金属粉末の熱伝導率は、バルク材に比べて著しく小さい値となり、造形雰囲気が大きく影響します。また、金属粉末の形状によって熱伝導率が異なることや充填率の増加によって値も増加します。この事実は、実現象では、複雑な形態が互いに影響を及ぼしあい、計算だけでは評価が難しいことを意味しております。
粉末状のサンプルは、外力が加わると形状(充填密度)が変形し、みかけの熱伝導率も異なります。
MTPSセンサーのCompression Test Accessory (圧縮試験アクセサリー:CTA)を用いて合金粉末への外力(加圧量)を増加させたときの熱伝導率の変化を測定しました。
※ 上田隆司, 粉砕, 58, 11-16, 2015
測定・解析例
試料: Ni-Cr合金粉末
測定装置: 熱伝導率測定装置 TRIDENT MTPSセンサー(液体&粉体モード)
加圧量 |
100 |
290 |
525 |
755 |
1057 |
gF |
熱伝導率 |
0.2165 |
0.2197 |
0.2225 |
0.2246 |
0.2267 |
W/mK |
推奨装置・推奨ソフトウェア
- 熱伝導率測定装置 TRIDENT