お菓子のグミを熱分析 その2 ~試料観察DSC~
Application Note
B-TA1040
はじめに
グミはゴムのような弾力のある食感が人気のお菓子です。本アプリケーションバイトでは試料観察DSCを使用し、グミの熱挙動とそれに伴う形状変化について調べました。
またTG-DTA/GC-MSで測定した結果を参考に、上限は80℃としました。
測定・解析例
DSC測定ではN2雰囲気にて室温から-50℃まで10℃/minで降温した後、80℃まで10℃/minで昇温しました。
図1にDSC測定結果と試料観察画像を示します。DSC測定結果では降温過程では-12℃、昇温過程では-23℃にガラス転移によるとみられるベースラインシフトがみられます。また、60℃付近から吸熱変化が見られます。
試料観察像を確認したところ冷却過程および、60℃付近までの昇温過程では試料形状に変化は見られませんが、60℃を超えるあたりから試料表面の光沢が徐々に無くなり、80℃にかけて試料の形状が変化しています。
今回の結果からガラス転移により試料形状に変化は見られませんが-10℃以下ではガラス転移が生じることにより食感に大きく影響を与える可能性があります。また、60℃以上では粘性の変化により形状そのものが大きく変化してしまうことがわかります。
図1 DSC結果と試料観察画像
推奨装置・推奨ソフトウェア
- DSCvesta, 試料観察ユニットVSO-1
- 測定・解析ソフトウェアVullios