TMAによる粉末試料のガラス転移測定
Application Note
B-TA1002
はじめに
TMAは検出棒を変更することで膨張や軟化などを測定することができる装置です。また、TMAには全膨張方式と示差膨張方式の2種類があります。
全膨張方式で試料を測定すると、試料の変化+検出棒や支持管の変化が結果になるため、別途標準試料を用いた測定を行い、検出棒や支持管の変化の補正が必要です。
測定・解析例
PMMAの粉末を入れた蓋つきのAl製試料容器をサンプル側に置き、Alの蓋付きの空の試料容器をレファレンス側に置きます。
図1.にPMMAのTMA測定結果を示します。PMMAのガラス転移による106℃での傾き変化を伴う膨張曲線がみられます。ガラス転移後、試料は軟化による収縮曲線を示します。DSC測定では、ほぼ同じ温度でのガラス転移の結果としてベースラインシフトが示されます。通常、TMA測定は形状の変化として観察でき、DSC測定はエネルギーの変化として観察できます。
示差膨張モードは、試料容器を含む測定試料から蓋付きの空の試料容器を差し引いた粉末試料を測定できます。
図1. PMMAのTMA測定結果
推奨装置・推奨ソフトウェア
- Thermo plus EVO2 TMA8311
- Thermo plus EVO2ソフトウェア