燃料油中の硫黄及び塩素のヘリウムガスレス測定

アプリケーションノート B-XRF1015

はじめに

石油製品やオイルに含まれる硫黄や塩素は、触媒の性能低下を引き起こし、燃焼時には硫黄酸化物やダイオキシンなどの有害物質を発生させます。そのため、これらの元素は含有量の管理が必要です。液体試料を波長分散型蛍光X線分析装置(WDX)で測定するには、試料室をヘリウムガス置換する必要があります。しかし、近年のヘリウムガス供給不足の影響でヘリウムガスを用いた分析が困難になりつつあります。

測定・解析例

波長分散小型蛍光X線分析装置Supermini200の大気/真空雰囲気測定機能では試料室を大気、その他の光学系を真空雰囲気下で測定するため、ヘリウムガスレスで液体試料や成型しない粉末試料の分析が可能です。このときの測定可能元素範囲は14Si~96Cmです。 ここでは燃料油中の硫黄及び塩素分析を実施した例を紹介します。試料調製は、測定面に試料フィルムを張った試料セルに試料を注入し(図1)蓋をしました。調製後の検量線用試料8点をSupermini200で測定し、硫黄と塩素の2元素について検量線を作成しました(図2-3)。 それぞれの検量線正確度は硫黄で58 ppm(濃度範囲~10000 ppm)、塩素で0.98 ppm(濃度範囲~50 ppm)と良好な結果が得られました。 硫黄と塩素が共存する試料では、分析線Cl-Kα線(2.622 keV)の近傍にS-Kβ1線(2.464 keV)が存在します。WDXはスペクトル分解能に優れているため、2つのスペクトルを分離することができます。一方、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)は両スペクトルを分離できないため、微量の塩素の分析が困難です。従って、燃料油中の微量塩素をより正確に分析するにはWDXが推奨されます。

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図1 調製後の試料

試料量:4 g
試料容器:3399N095
試料フィルム:マイラー 3.6 μm

B-XRF1015_fig2

図2 燃料中の硫黄の検量線

分光結晶:RX9C
検出器:F-PC
測定時間:Peak 10 秒、BG 10 秒

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図3 燃料中の塩素の検量線

分光結晶:RX9C
検出器:F-PC
測定時間:Peak 40 秒、BG 40 秒

推奨装置

  • 波長分散小型蛍光X線分析装置 Supermini200

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