アプリケーションノート B-TA4001
はじめに
液体食品の製造工程では、濃縮や殺菌などの様々な熱操作が加えられます。これらの操作を行う装置・設備の設計や合理的操作法を検討するためには、様々な固形分濃度や温度における液体食品の熱伝導率を把握する必要があります。
果汁※などの液体食品の熱伝導率に関する報告は幾つかあり、温度や固形分濃度あるいは水分濃度の関数として表されています。果汁の熱伝導率の影響因子を分析するため、オレンジジュースとグレープジュースにおいて、異なる果汁固形分濃度(0%~100%)の熱伝導率をそれぞれ測定したところ、固形分濃度と熱伝導率との間に高いマイナスの相関が得られました。
※ 村松良樹,田川彰男,笠井孝正,境 博成, 福島正義, Nippon Shokuhin Kagaku Kogaku Kaishi Vol. 47, No. 7, 548~550 (2000) 〔研究ノート〕
測定・解析例
異なる果汁固形分濃度(0%~100%)の熱伝導率値の違い

| 
 果汁濃度 %  | 
 0  | 
 25  | 
 50  | 
 75  | 
 100  | 
|
| 
 熱伝導率  | 
 Grape juice  | 
 0.620  | 
 0.606  | 
 0.590  | 
 0.578  | 
 0.565  | 
| 
 Orange juice  | 
 0.620  | 
 0.607  | 
 0.592  | 
 0.582  | 
 0.573  | 
■果汁の固形分濃度は、蒸留水(熱伝導率:0.62W/m K)で希釈しました。
■果汁固形分濃度と熱伝導率との間に高いマイナスの良好な相関が得られ、0~100%での異なる固形分濃度でのオレンジジュースとグレープジュースの熱伝導率の予測式(2次式)を得ることができました。
推奨装置・推奨ソフトウェア