デンプンの糊化 米と小麦粉

アプリケーションノート B-TA1050

はじめに

デンプンに水を加えて加熱するとアミロース・アミロペクチン間の水素結合が切断され、結晶性が失われた状態となり、さらにデンプン粒が崩壊しゲル状になる変化が知られています。この現象は糊化(α化)と呼ばれ、DSCでは吸熱ピークとして現れます。糊化は穀類の種類や加熱加工の違いによる影響を受け、食感や消化性とも関係するため、品質管理の一つの指標として使用されています。

測定・解析例

米粒を粉砕したものおよび市販の小麦粉粉末をサンプルとして、Al製シール容器に各約5mgを入れ、水を約20mgを加えてシール後、測定しました。

B-TA1050 Figure 1 DSC measurement results

図 1 DSC測定結果

米粉砕サンプルは60℃から80℃に糊化による吸熱ピークが見られます。また、小麦粉粉末では50℃から70℃に吸熱ピークが現れています。この結果から、米の糊化は小麦粉に比べて、より高温まで加熱しないと糊化が完了しないことがわかります。 このように、種々の穀物デンプンの糊化による吸熱ピークを測定することにより、物性の評価や適切な加熱加工条件の検討に有用となることが考えられます。

推奨装置・ソフトウェア

  • Thermo plus EVO3 DSCvesta2
  • Vullios測定・解析ソフトウェア

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