熱分析豆知識

 

第4回 DSCでガラス転移がわからない時に

ガラス転移温度を調べる際に一番よく使われるのはDSCですが、ガラス転移はベースラインのシフトとして現れるため、「わかりにくい!」「どこにあるのか見当がつかない!」
「これがガラス転移かな?」などはっきり見極められない場合があります。結晶性が高い試料の場合には融点以上の温度まで昇温した後、急冷(クエンチ)して非晶質の割合を増やして再測定することも有効ですが、TMAで軟化や膨張率の変化を見てみるのも有効な手段の一つです。
TMAではガラス転移は軟化や膨張率が急激に増大する変化として現れます。
この温度域をDSCで注目して観察することでDSCでもガラス転移によるベースラインのシフトが見つけられるかもしれません。TMAで測定する場合、試料の形状がフィルムやブロックの場合はそのまま測定できますが、粉体の場合でもAl容器に試料を入れてAlの落としフタを載せてTMAにセットすることで測定可能です。

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