セメントの湿度変化による重量変化

アプリケーションノート B-TA1063

はじめに

建材として使用されるセメント硬化体について、相対湿度変化に対する重量変化を測定しました。

測定・解析例

市販の普通ポルトランドセメント粉末と水を100:50(W/C=50%)に混合撹拌し、168時間(7日間)硬化させた硬化物から、約128mgのブロック(直径5mm、長さ3mm)を切り出したものをサンプルとして測定しました。相対湿度23℃において、20%、40%、60%、80%で各3hr保持し、さらに60%、40%、20%で各3h保持しました。

B-TA1063_fig1

図 1 湿度変化に対する重量変化

20%RH 3hr保持では、初期状態からの乾燥による減量が見られました。その後、40%RH 3hr保持で0.44%の増量、40%RH~60%RH 3hr保持で0.54%、60%RH~80%RH 3hr保持では0.98%の増量が確認されました。なお、80%RHの場合は3hr保持では増量が一定とならない結果となりました。

湿度を段階的に低下させた場合には、80%RH~60%RH 3hr保持で0.55%、60%RH~40%RH 3hr保持で0.45%、40%RH~20%RH 3hr保持では1%の減量が現れています。

TG-DTAと水蒸気発生装置を組み合わせたシステムにより、セメントの種類や配合、さまざまな硬化条件に応じたセメント硬化体について、吸湿による増量や乾燥による減量を測定することが可能であり、セメントの特性評価に有効と考えられます。

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