ポリイミドフィルムの湿度変化による膨張収縮

アプリケーションノート B-TA1054

はじめに

ポリイミド樹脂は耐熱性、機械特性、電気絶縁性、耐薬品性等に優れているため、航空宇宙産業や自動車、電子部品・半導体など広範囲の分野で使用されています。他方、吸水・吸湿による寸法変化や特性変化が知られています。ポリイミドフィルムについて、相対湿度を変化させたときの膨張・収縮を測定した結果を示します。

測定・解析例

サンプルとして、ポリイミドフィルム(厚さ12μm)を幅5mm、長さ15mmに切り出したものを使用し、引張荷重50mN、25°C Dry雰囲気から相対湿度80%まで、20%ステップで変化させて膨張・収縮を測定しました。各相対湿度のホールド時間は40minとしました。

B-TA1054_1

図 1 湿度変化に伴う膨張・収縮

相対湿度を段階的に上昇させる過程では、相対湿度20%ごとに0.023%~0.028%のほぼリニアな膨張が現れており、相対湿度を低下させる過程では、相対湿度20%ごとに0.020%~0.026%の範囲で収縮が見られます。 今回の測定では、湿度変化に伴う膨張・収縮を捉えることができたため、この手法は湿度雰囲気の変化による変形や寸法安定性の評価などに有効と考えられます。

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