ポリマーフィルムの膨張 湿度による違い
アプリケーションノート
B-TA1053
はじめに
食品の保存や保管に使用されるラップ用フィルム、ポリエチレン(PE)とポリ塩化ビニル(PVC)について、Dry雰囲気と25°C相対湿度80%の雰囲気下で膨張率を比較しました。
測定・解析例
サンプルとして、PEフィルム(厚さ15μm)、PVCフィルム(厚さ10μm)を幅5mm、長さ15mmに切り出したものを使用し、引張荷重20mN、昇温速度2°C /minで測定しました。

図 1 PE Dry雰囲気、25°C 相対湿度80%雰囲気 膨張率

図 2 PVC Dry雰囲気、25°C 相対湿度80%雰囲気 膨張率
PEの場合は、湿度の違いによる膨張の差は認められず、湿度依存性は低いと考えられます。 PVCの場合は、50°C~75°Cの範囲でフィルム製造時の延伸を反映した収縮が見られますが、湿度80%の場合には収縮が小さく(膨張が大きく)なっており、湿度依存性が高いと推定されます。 このように、種々の相対湿度雰囲気下での膨張を測定することにより、フィルムに関する物性の湿度雰囲気依存性評価が可能であると考えられます。
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