セメントの湿度変化による膨張と収縮

アプリケーションノート B-TA1052

はじめに

建材として使用されるセメント硬化体について、相対湿度変化に対する膨張・収縮を測定しました。

測定・解析例

サンプルは、市販の普通ポルトランドセメント粉末と水を100:50(W/C=50%)に混合撹拌し、168時間(7日間)硬化させた硬化物から直径6mm長さ18mmに切り出し、長さ方向に圧縮荷重を加え測定しました。

相対湿度を23℃ 20%、40%、60%、80%で各6hr保持、さらに80%、60%、40%、20%で各6h保持しました。

B-TA1052_graph1

図 1 湿度変化に対する膨張率

初期状態から、20%RH 6hr保持で収縮がほぼ一定になり、湿度の増加に対して、20%RH~40%RHで0.019%、40%RH~60%RHで0.019%、60%RH~80%RHでは0.02%の膨張となっています。なお、80%RHの場合は、6hr保持では膨張が一定とならない結果となりました。

湿度を段階的に低下させた結果では、80%RH~60%RHで0.005%、60%RH~40%RHで0.018%、40%RH~20%RHでは0.015%の収縮が現れています。20%RHの場合は、膨張は6hr保持では収縮が一定とならない結果となりました。

TMAと水蒸気発生装置を組み合わせたシステムでは、セメントの異なる種類や配合、種々の硬化条件によるセメント硬化体について、吸湿による膨張や乾燥による収縮が測定することができ、セメントの特性評価に有効と考えられます。

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