アプリケーションノート B-XRI1037
はじめに
セラミックスの性能評価において、気孔率は重要な指標です。気孔には、外部と接続している開気孔と、内部に孤立する閉気孔があり、その割合は材料強度や透過性に影響します。しかし、気孔率算出法として一般的な、アルキメデス法や水銀圧入法は手間がかかるうえ、閉気孔の気孔率算出は困難です。そこで、非破壊で内部構造を3次元的に解析できるX線CTが有効な手段となります。ここでは、マイクロX線CTでセラミックス多孔体を撮影し、画像解析によって、セラミックス、開気孔、閉気孔の体積を算出し、気孔率を求めました。
測定・解析例
図1に示す40×40×20 mmのセラミックス多孔体を、画素サイズ25 μmでCT撮影しました。
図1:セラミックス多孔体の写真
図2にはセラミックス多孔体のCT断層画像を示します。X線CTでは、セラミックスが明るく、気孔が暗く映ります。
図2:セラミックス多孔体のCT断層画像(未処理)
図3には、セグメンテーション結果の断層画像を示します。これは、未処理画像における画素の明るさと連続性から、画素を塗分けた結果です。ここではセラミックスを灰色、開気孔を青色、閉気孔を赤色に設定しました。
図3:セラミックス多孔体のCT断層画像(セグメンテーション結果)
図4には、セグメンテーション結果の立体画像を示します。この図から、セグメンテーションが平面的ではなく立体的に行われていることがわかります。このように塗り分けられた画素の個数から、各成分の体積が算出されます。
図4:セラミックス多孔体の立体画像
aセラミックス b開気孔 c閉気孔
dセラミックス+全気孔 eセラミックス+全気孔の切断図
次の定義に従い気孔率を算出しました(1)。 セラミックスとすべての気孔を含むセラミックス多孔体(図4d)の見掛け体積を $V_{S\mathrm{o}}$、セラミックス(図4a)の体積を $V_{S\mathrm{s}}$、開気孔(図4b)の体積を $V_{S\mathrm{op}}$、閉気孔(図4c)の体積を $V_{S\mathrm{cp}}$ とすると、
セラミックス多孔体の見掛け体積 $V_{S\mathrm{o}}$ は
開気孔率は
閉気孔率は
全気孔率は
となります。
表1にはセラミックス、各気孔の体積と気孔率をまとめました。
表1:セラミックス、各気孔の体積と気孔率
このようにX線CTを用いて各成分の体積を算出することで、セラミックス多孔体全体に対する開気孔率と閉気孔率を算出できます。
参考文献
(1) “気孔率”. 粉体工業会. 粉体工業用語辞典.
https://www.sptj.jp/powderpedia/words/10443/, (参照 2026-01-09)
推奨装置・ソフトウェア
- マイクロX線CT装置 CT Lab HX
- 大型マイクロX線CT装置 CT Lab HV
- VGSTUDIO MAX ベースライセンス
VGSTUDIO MAXはHexagon Manufacturing Intelligence 株式会社の製品です。