マイクロX線CTによる実装済ICパッケージの非破壊観察

アプリケーションノート B-XRI1026

はじめに

電子部品の不良解析にはX線透視撮影が利用されています。しかし、透視撮影ではX線光路にある物体が一枚の 画像にすべて写り込むため、観察したい部品に他の部品の像が重なり、構造観察が難しくなる場合があります。X線 CTでは、試料全体のCT画像から観察対象だけを抽出できるため、特定の電子部品だけを観察することができます。 ここではデスクトップ型のマイクロX線CTを用いて、基板に実装されたICパッケージを観察しました。

測定・解析例

図1には基板に実装されたICパッケージ周辺の透視画像を示します。基板内部の積層配線や裏面にあるはんだの 像が重なり、ICパッケージの内部構造は不明瞭です。図2、3には約20分で撮影したCT画像を示します。印加電圧を 130 kV、画素サイズを5.3 μm/voxelとしました。図2は、アウターリードの底面からボンディングワイヤー上端までの 立体画像です。立体画像からはボンディングワイヤーの湾曲、各ワイヤーの高低差、ワイヤー末端のボール形状な ど、立体的な構造を確認しました。図3は2つの部位の断層画像です。ボンディングワイヤー周辺では、立体画像と同 様にワイヤーを鮮明に観察でき、ワイヤーの断線がないことを確認しました。アウターリードと基板の接点では、はん だの形状と、はんだに含まれる気泡を確認しました。以上のように、X線CTを利用することで、透視撮影では確認が 難しい部品の構造も容易に観察できます。

B-XRI1026_Non-destructive observation of IC packages_1

図1 実装された
IC パッケージ周辺の透視画像

 

 

B-XRI1026_Non-destructive observation of IC packages_2

図2 実装された
IC パッケージのCT 立体画像

B-XRI1026_Non-destructive observation of IC packages_3

 

 

B-XRI1026_Non-destructive observation of IC packages_4

図3 実装されたIC パッケージの断層画像
(左:ボンディングワイヤー周辺、右:はんだ周辺)

推奨ソフトウェア

・産業用X線CTデータ可視化ソフトウェア VGSTUDIO(ベースライセンス)

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