マイクロX 線CT による ガラス繊維強化樹脂内の短繊維の配向解析

アプリケーションノート B-XRI1024

はじめに

繊維強化樹脂の強度設計には製品形状にともなう射出成型時の繊維配向の把握が不可欠です。X線透過写真や 各種顕微鏡では2次元の情報しか得られませんが、マイクロX線CTを利用することで立体的な繊維の長さや位置 情報を把握できます。ここでは射出成形したガラス繊維強化樹脂(GFRP)の板状試料をマイクロX線CTで撮影し、 物理的な切り出しが難しい板の厚みを分割する方向の断面で、ガラス繊維(GF)の配向を解析した結果を示します。

測定・解析例 

厚さ約0.6 mmのGFRP製ファンブレード(送風機の羽根)を10 mm幅に切り取って3.6 μm/voxel、17分でCT撮影し ました。図1は解析領域をその中心の幅5 mm、高さ5 mmとし、①断面(中央部)と②成形表面(右端)におけるGFの 配向角度を計算した結果です。①断面ではブレード先端から約4 mmの広範囲にわたりGFが赤~黄色に着色され、 幅方向に配向している成分が多いことがわかります。一方、②成形表面では、先端約1 mmを除く広範囲でGFが青 ~緑色に着色されており、断面と比較して上下方向に配向している成分が多いことがわかります。

B-XRI1024 Figure 1 Fan blade cross section molded surface図1 ファンブレードの断面と成形表面での繊維配向

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