DSC、TMAによるセパレータの熱安定性評価

アプリケーションノート BATT1024

はじめに

Liイオン電池のセパレータは、正極と負極を絶縁し、微細な孔を通じてLiイオンの移動を可能にします。セパレータには、使用温度範囲で形状変化しないこと、そして高温時にはセパレータの微細孔を閉塞して熱暴走を防ぐシャットダウン機能が求められます。これらの性能を分析、評価するには、TMA(熱機械分析)とDSC (示差走査熱量測定)が有効です。

構成分析

  • 分析: セパレータ
  • 用途: 研究開発
  • 分析材料:  3層セパレータ
  • 使用機器: DSCvesta2 TMA8311
  • 解析手法:  融解、膨張·収縮

batt1024 figure 1Figure 1: 3層セパレータのTMA、DSC

DSCでは、132 ℃と165 ℃でポリエチレンのポリプロピレンの融解に伴う吸熱ピークを確認しました。多孔質ポリエチレン融解によりシャットダウンが機能します。

TMAでは、A方向でポリエチレン融解温度近辺から収縮が、B方向でポリプロピレン融解温度以上に伸びが生じていることを把握できます。

結論

TMA、DSCを用いて、セパレータの熱収縮、シャットダウン温度を確認できます。セパレータの熱安定性評価、部材選定にも役立ちます。

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