リガクX線研究所は国立医薬食品衛生研究所薬品部、慶應義塾大学薬学部と共同研究を行い、ラマン顕微鏡、高感度X線顕微鏡CT nano3DXを用いて品質や安定性、溶出性さらに吸収性に影響する錠剤内部の薬剤結晶を評価した成果がInternational Journal of Pharmaceuticsで8月10日に公開されました。
ラニチジンは結晶形により密度が異なることが知られており、X線CT画像の輝度値の違いから錠剤中のラニチジンⅠ型、Ⅱ型を非破壊で区別することに成功しました。
また、ラニチジンは同じ結晶形でも、比重瓶による密度計測結果が文献によって大きく異なることが知られていました。今回の研究によって同じ結晶形、同ロットのラニチジンでも粒子によって密度が異なることがわかりました。このような密度分布の情報は今後の製剤設計、特性評価や品質評価に貢献できるものと期待されます。
参考
https://doi.org/10.1016/j.ijpharm.2021.120834
関連ウェビナー(英語)
● X-RAY COMPUTED TOMOGRAPHY FOR MATERIALS SCIENCE 3: FOOD AND PHARMACEUTICAL APPLICATIONS
● Non-Destructive 3D Imaging Study Of Tablets and Coatings - Recent Advances in X-Ray Computed Tomography