現場で使える!X線分析装置による品質・原料管理の実践ノウハウ

概要:
近年、セメント、鉄鋼、非鉄金属などの基幹産業に加え、電池や電子デバイス分野でも、原料や製品の品質管理の重要性が高まっています。こうした背景の中、XRD・XRFによる分析技術が注目されています。本講演では、属人化や労働力不足などの課題に対し、X線分析装置がどのように貢献できるかを事例とともに紹介。将来的な自動化を見据えたリガクのオートメーションシステムにも焦点を当て、導入のヒントを提供します。

このセミナーで学べること

  • X線分析装置を活用した高精度な品質・原料管理の実践的ノウハウ
  • XRD・XRFを活用した品質管理の具体的な手法と、各業界での実践的な分析事例

こんな方におすすめ!

  • X線分析装置の導入を検討しているが、具体的な活用イメージが持てずに悩んでいる方
  • 品質管理の自動化・効率化を目指し、最新の分析技術やシステムに関心のある方

Q&A:

Q1: 【XRD】X線装置の構成を教えてください。測定時間10分で高強度のプロファイル取得が出来るには何か裏技があるのですか?

A: 本Webinarの中で提示したXRDの測定データは、MiniFlex XpCで得られたものです。 MiniFlex XpCは、品質管理向けのシステムとしてご提案している装置で、設置面積が小さいながらも、短時間で高強度の測定データを取得することができます。弊社の卓上型X線回折装置MiniFlexと比較すると、出力が600Wから800Wになり、使用している検出器の検出面積が1.5倍になったため、約2倍の強度が得られます。 詳細は、弊社のリガクジャーナルもご参照ください。

「小型X線回折装置 MiniFlex XpC」

また、使用するソーラースリットの種類や入射スリットのサイズも取得できる強度に影響を与えます。 評価目的をふまえた上で、ソーラースリットの開口角を大きいものを選択したり、入射スリットを大きくしたり、ステップサイズを大きくしたりすることで、より高強度の測定データを取得することができます。 強度が取得しにくい試料もありますが、上記のように光学系や測定条件を工夫することでより高強度の測定データを取得することができるかと思います。併せて、弊社のリガクジャーナルもご参照ください。

「粉末X線回折法 基礎講座 第2回 質の高いデータを取得するための装置構成の選択」
「粉末X線回折法 基礎講座 第3回 質の高いデータを取得するための試料調製およびスキャン条件」 

 

Q2:【XRD】解析テンプレートやCSVテンプレートはどのように作成するのでしょうか。

A: 解析テンプレートは、SmartLab Studio IIというソフトウェアを用いて作成いたします。解析条件を保存したい試料の解析結果を、テンプレート形式で保存してください。

CSVテンプレートの作成は、弊社にて担当いたします。解析によって得られた結果から、重量分率、格子定数、結晶子サイズ、ピーク強度など、どのような情報を抽出したいかを導入時にお伺いし、その内容に基づいて作成を進めてまいります。

また、解析テンプレートの作成にあたり、解析条件の決定方法などについてのサポートも承っております。

ご興味をお持ちいただけましたら、お気軽にご連絡ください

 

Q3:【XRD】XRDのどのグレードの装置で+αのことが可能ですか?

A: 本Webinarでは、+αのこと(ルーティン測定による装置管理の1例)として、Easy Xのスケジューラー機能とトレンドグラフ機能の組み合わせをご紹介しました。 スケジューラー機能では、指定した場所に設置されている試料を指定した日時で自動で測定することができます。 その際、多検体測定用としてオートサンプルチェンジャー(ASC)もご利用いただくことを推奨いたします。 また、Easy XはMiniFlexシリーズでご利用いただくことができます。

上記の条件に該当していない場合でも、ご興味がありましたら、ぜひ弊社までご相談ください。一緒に最適な方法を検討させていただければと考えております。

 

Q4:【XRD】XRD装置の精度を保つ為に重要な事はなんでしょうか?

A: XRDでは回折角度に対する強度の情報を取得するため、精度を保つには回折角度と強度の管理が重要です。 標準試料を用いて正しい回折角度が取得できることを定期的に確認してください。

強度については、管球の使用頻度などに応じて徐々に低下します。 強度が低下しても測定データの取得は可能ですが、X線の計測には統計変動が含まれ、強度が高いほどその影響は小さくなります。 そのため、測定データや解析結果の再現性を保つためには強度管理が重要です。標準試料を用いて、どの程度の強度が得られているかを定期的に確認してください。

また、精度維持のためには定期的なメンテナンスもご検討いただければと考えております。

 

Q5:【XRD】角度の標準資料は何を使用していますか?

A: 角度の標準試料としては、アメリカ国立標準技術研究所(NIST)が販売している試料を使用しております。 これらは、格子定数およびピーク位置の認証値を有しています。 弊社のX線回折装置をご購入いただいた際には、NIST SRMのSi粉末またはCorundumプレートのいずれかが付属しておりますので、ぜひご活用ください。

また、日常的な装置状態の確認を目的とした測定の場合、経時変化のない試料であれば、必ずしも標準試料である必要はございません。 装置納入直後や弊社サービス員によるメンテナンス直後など、正常な測定が可能と考えられるタイミングで取得したデータと比較し、取得されたピーク位置に変化がないことをご確認いただければ幸いです。

 

Q6:【XRD】前処理装置で粉末にかける圧力はどれくらいでしょうか?結晶子径に影響は無い程度でしょうか?

A: 本Webinarでご紹介したXRD用粉末成形機は、最大で2,000 Nの荷重を加えることが可能です。 MiniFlex XpCで標準的に使用される試料ホルダー(内径φ35 mm)を前提とすると、この荷重に対応する圧力は約208 kPaとなります。 結晶子径への影響については、現時点で詳細な検証は行っていませんが、セメント試料の測定データではプレスの有無によるピーク幅の明確な差は確認されませんでした。

しかし、粉末成形機の荷重能力や試料の種類によって影響の程度は異なる可能性があります。 そのため、結晶子サイズの評価が目的で、プレスによる変化が懸念される場合は、実際にご確認いただくことを推奨いたします。

また、今回ご紹介した粉末成形機のご購入をご検討される場合は、お気軽に弊社までご相談ください。お客様の分析目的や懸念点に応じて、最適な方法を一緒に検討させていただければと考えております。

 

Q7:【XRD】試料量が非常に少ない場合、例えば6~8ミリグラムのMOF材料のみである場合、ハイスループット自動測定を行うことは可能ですか?もし可能であれば、試料架はどのようなものになっていますか?

A: 測定の自動化は可能です。 粉末成形機を利用したバックプレスによる試料充填では試料量が数グラムは必要であるため、試料充填の自動化は難しいかと思います。 しかし、微量試料に対応した試料ホルダーに充填し、自動搬送のアタッチメント(オートサンプルチャンジャ―ASCやCOBOTTAなど)と組み合わせることで、測定を自動化することは可能です。

また、SmartLabの場合、96ウェル反射/透過アタッチメントを利用することでも微量試料のハイスループット測定が可能です。 是非ご検討ください。

figure1_ASC用無反射試料ホルダー(左:試料充填部 φ10 mm×0.2 mm 右:試料充填部 φ5 mm×0.2 mm)ASC用無反射試料ホルダー(左:試料充填部 φ10 mm×0.2 mm 右:試料充填部 φ5 mm×0.2 mm)

figure2_MiniFlex XpCとCOBOTTAとの組み合わせMiniFlex XpCとCOBOTTAとの組み合わせ

figure3_ASC-10(左)またはASC-8(右)ASC-10(左)またはASC-8(右)

figure4_96ウェルプレートアタッチメント96ウェル反射/透過アタッチメント

 

Q8:【XRD、XRF】自動化システムはどの程度カスタマイズできますか?

A: お客様によって自動化システムに求められる内容はさまざまですので、一概にお答えすることは難しいですが、 コンベアベルトや試料搬送ロボットとの接続方法、装置設置のレイアウト、装置の改造(例:SmartLabの扉の自動開閉)など、 自動化システムに関するご要望がございましたら、ぜひ弊社までご相談ください。 お客様と一緒に最適な方法を検討させていただければと考えております。

また、Pythonスクリプトを用いることで、お客様ご自身による自動化システムの構築も可能です。 今回ご紹介したインダストリーオートメーションシステムでは活用機会が少ないかもしれませんが、 共通データ形式であるMaiMLフォーマットへの変換にも対応しております。

 

Q9:【XRD、XRF】XRD、XRFのインダストリーオートメーション化について。どのくらいの、サンプル数/日でコストメリットがあるか・・・事例などあれば、教えてください。

A: 具体的な事例を挙げるのは難しいのですが、1日に100サンプル以上を測定されるお客様の多くは、24時間稼働で定期的な測定を行っていると考えられます。 そのため、その場合の自動化による無人運転や労働コスト削減の効果は非常に大きいと見込まれます。

また、分析サンプルの作製を自動化することで、分析サンプル作製再現性が高くなることにより、分析精度向上も期待できます。

 

Q10:【XRF】XRF分析で精度を維持するために装置側で重要なことは何ですか?

A: 装置使用前のPH調整、X線管や検出器の経年劣化によるX線強度の減少を校正するため、定期的なドリフト補正を実施することで装置は安定に使用できます。

また、フィールドサポートによる定期的なメンテナンスを実施することも長く装置を安定して使うことにも繋がります。 色々なメンテナンスメニューがございますので、フィールドサポートに問い合わせしてみてください。

 

Q11:【XRF】粉末試料の秤量とプレスを自動化することは可能ですか?

A: 弊社では自動プレス装置を扱っておりませんが、前処理装置メーカーでは粉末→ペレットまで完全自動化の対応出来る装置を取り扱っておられます。 弊社担当営業を通じて、もしくは直接メーカー様にお問合せ頂ければと思います。

 

Q12:【XRF】粉体をXRFで分析する場合も錠剤化が必要ですか?

A: 自動化をお考えであれば、錠剤化(ペレット化)が必要です。バッチ分析であれば、必ずしも錠剤化する必要はありませんが、粉末のまま測定するルースパウダー法では錠剤化した場合と比べて分析誤差は大きくなります。1検体あたりに試料処理にかけられる時間と分析精度の観点から最適な試料処理方法を選択してください。

 

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