微量相同定とは
XRDを用いた微量相同定とは、試料中にごく少量含まれる結晶性物質を検出し、その組成や構造を明らかにする分析手法です。材料の品質管理や新素材の開発、および環境分析などの分野において、主成分だけでなく、微量成分を検出し、同定することは重要です。微量相は、試料全体に対して非常に少量しか含まれないため、通常の測定条件では検出が難しい場合があります。従って、微量相の検出と同定には、高感度かつ高分解能な分析技術が求められます。
微量相の検出は、主成分の回折ピークの裾やバックグラウンドに埋もれてしまうことが多いため、高強度のX線源やエネルギー分解能が高い検出器を用いてノイズを抑える工夫が必要です。また、SN(Signal/Noise)比を向上させるために走査速度は通常の条件よりも遅く設定します。これにより微小ピークをより明確に検出することができます。
XRFは、XRDとは異なり、結晶構造ではなく元素情報が得られるため、未知の成分がどのような元素で構成されるかを評価する際に役立ちます。XRDでは検出が難しいppmオーダーの微量成分を検出することができます。
微量相同定は、品質管理、材料開発、環境分析など幅広い分野で重要な役割を持っています。XRDは結晶構造を、XRFは元素組成を明らかにすることで、試料中の微量成分を特定します。これらの手法を組み合わせることで、より正確な微量相同定が可能になります。

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