微小部分析

X線回折(XRD)による微小部分析

電子部品の小型化などに伴い、XRD分析の評価対象となる領域も小さくなっています。そのため、X線をポイント状に絞った微小部分析のニーズが高まっています。微小部分析を行うためにX線のビームサイズを小さく成形する方法としては主に次の2つがあります。

①スリットやコリメーターを用いる方法

この方法では、ライン状ビームの中央付近のみを切り出すことでビームサイズを小さくします。スリットやコリメーターを異なるサイズのものに交換することにより、目的に応じてビームサイズを任意かつ簡便に変えられるという利点があります。ただし、ライン状ビームの大部分をカットするため、強度の低下が大きいという弱点があります。また、長尺コリメーターを使用する場合には、2θ低角側で試料とコリメーターが干渉する可能性があるため、注意が必要です。

②X線集光素子(CBO-f, CBO-μ)を用いる方法

この方法では、図1に示すように、ライン状の平行ビームを集光してポイント状に変換します。スリットやコリメーターを用いた方法と比べて強度の損失が少なく、より短時間での微小部分析が可能です。ただし、集光サイズは素子ごとに固定されています。ポリキャピラリーレンズを用いたCBO-fでは試料位置で約φ0.5 mm、多層膜コンフォーカルミラーを用いたCBO-μでは約φ0.1 mmです。これらのサイズは、ダイレクトビーム強度分布の半値幅から見積もられます。コリメーターを用いて同程度のビームサイズに成形した場合と比較すると、CBO-fは約40倍、CBO-μは約10倍の高強度データを取得できます。

 

さらに高強度なデータ取得の工夫

微小な入射X線に対して2次元検出器を組み合わせて測定することで、デバイ環上の回折強度を積算し、さらに高強度なデータを取得することが可能です。これにより、高速な微小部分析が実現します。

Micro-area analysis_fig1

図1. SmartLabのX線集光素子: (左)CBO-f, (右)CBO-μ

Micro-area analysis

アプリケーションノート

以下のアプリケーションノートは、この分析手法に関連しています。

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