In-situ測定

 In-situ測定とは、試料の状態をその場で観察しながら測定を行う手法であり、環境条件の変化に応じた物質の構造や特性の変化をリアルタイムで測定することができます。
一般的な測定では、試料を特定の条件下に固定し、外部環境の影響を受けない状態でデータを取得しますが、In-situ測定では温度、圧力、電場、湿度、ガス環境などの条件を変化させながら測定を行うことで、実際の使用環境に近い状態での解析が可能となります。 

 X線回折法(XRD)を用いたIn-situ測定では、試料にX線を照射し、環境条件の変化に伴う結晶構造の変化を分析します。
例えば、リチウムイオン電池の充放電過程における電極材料の結晶構造変化を調べるために、XRDを用いた充放電同時測定(オペランド測定)が行われます。この方法では、電池を実際に動作させながらX線回折データを取得し、充放電に伴う結晶構造の変化を解析します。
また、XRD-DSC(示差走査熱量計とXRDの組み合わせ)を用いたIn-situ測定では、医薬品やポリマーなどの試料の温度変化に伴う結晶構造の変化をリアルタイムで観察することができ、相転移や熱安定性の評価が可能となります。 

 XRDを用いたIn-situ測定は、粉末試料や薄膜材料の評価にも利用されます。粉末XRDによる測定では、試料の結晶相組成をリアルタイムで分析し、相転移や化学反応の進行を観察することができます。
一方、薄膜試料では、基板上の薄膜の結晶成長過程や熱処理による結晶化の進行を評価するために使用されます。

 XRDを用いたIn-situ測定は、電池材料、触媒、半導体、金属材料など幅広い分野で利用されており、材料研究や産業分野において重要な技術となっています。

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アプリケーションノート

以下のアプリケーションノートは、この分析手法に関連しています。

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