ガラスビード法による蛍光X線分析の試料調製

蛍光X線分析(XRF)は、物質にX線を照射し、その物質から放出される蛍光X線を測定することで元素の組成を調べる方法です。この分析を行うためには、試料の調製が非常に重要です。その中でも「ガラスビード法」は試料を適切に調製し、正確な分析を行うために広く利用されている手法です。

ガラスビード法とは?
ガラスビード法は、粉体試料を高温で融解させ、均質なガラス状に成形する方法です。特長として試料を高温で融解させるため粉体由来の粒度効果や鉱物効果を低減でき、融剤による希釈のためマトリックス効果の影響が小さくなります。そのため蛍光X線分析の精度や再現性を高められます。この手法は鉄鋼、鉱業、窯業、セメントなど、多岐にわたる試料に対応できるため、様々な分野で利用されています。

手順
1.秤量
乾燥させた粉体試料と融剤を0.1mgの桁まで精秤します。
2.混合
精秤した試料と融剤を十分に混合し、ガラスビード作製容器に移します。必要に応じて剥離剤を添加します。
3.融解
1000~1200℃で一定時間、融解します。試料と融剤が融解するまでガラスビード作製容器は静止させます。その後、融解物の均質化や気泡の除去のためガラスビード作製容器を揺動させながら融解を行います。
4.冷却
融解物を冷却し、固化させます。

まとめ
ガラスビード法は、蛍光X線分析における試料調製法として、非常に重要な役割を担っています。試料を均質で安定した形にすることで、分析精度を高め、信頼性のある結果を得ることができます。この方法は、研究機関や産業分野での品質管理や新素材の開発において欠かせない手法となっています。

Fusion bead method

アプリケーションノート

以下のアプリケーションノートは、この分析手法に関連しています。

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