電子回折構造解析

 電子回折(単結晶構造解析)手法では、試料に電子線を照射し、得られた電子回折データを基に、単結晶を構成する原子や分子の立体的な配置および分子間の相互作用を解析することができます。さらに、最終的に得られる結果が分子構造そのものであるため、他の構造解析手法では解析が難しい複雑な分子の構造解析においても非常に強力なツールとなります。

 一般的に、単結晶構造解析ではX線を用いて測定が行われますが、十分な測定データを得るためには、数十μm~数百μm程度のサイズを持つ単結晶試料を作成する必要があります。しかし、実際に単結晶を作る際には、単結晶試料を大きく成長させることは非常に困難であり、多くの条件を検討する必要があります。これが従来のX線を用いた測定における大きな障壁となっていました。 

 一方、電子線を用いた測定では、電子線の物質への相互作用がX線に比べて数千~数万倍強く、さらにX線よりも細く集束することが可能なため、非常に小さな試料でも測定対象とすることができます。この特性により、電子回折(単結晶構造解析)手法を用いることで、従来のX線回折法では測定できなかった微細な試料に対しても構造解析を行うことができ、材料開発や新薬の設計、さらにはナノ材料の構造評価など、さまざまな分野で重要な役割を果たすことができます。

Techniques_Electron-diffraction

アプリケーションノート

以下のアプリケーションノートは、この分析手法に関連しています。

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