マイクロ X 線 CT による凍結乾燥製剤の観察

Application Note B-XRI1015

はじめに

“ケーキ”とも呼ばれる凍結乾燥製剤の3次元構造観察は添加剤の配合や凍結乾燥プロセスの最適化のために重要です。しかし、多くのケーキは吸湿により3次元構造が変化するため、バイアル瓶に密封した状態での観察が必要です。X線CT撮影はX線が物質を透過する性質を利用して試料の3次元構造を描画するため、ケーキをバイアル瓶に密封したまま微細な内部構造を観察できます。ここでは、マイクロX線CTでケーキをバイアル瓶ごと撮影し、ケーキ内部の固体と空隙の状態を観察しました。

測定・解析例

凍結乾燥製剤(ケーキ)

9 µm / voxel のボクセル分解能でバイアル瓶入りのケーキ(図1)をCT撮影し、断層画像上でケーキを構成する固体と空隙を確認しました(図2)。次に、断層画像の赤線位置の断面を出し、立体画像を表示しました(図3)。断層画像、および立体画像から、空隙の形状と大きさが異なる2種類の領域が存在することがわかります。また、ケーキの中心から右側にかけて、バイアル瓶の上下方向に伸びる大きな空隙が存在していることがわかります。なお、バイアル瓶から取り出して撮影可能なケーキの場合、ケーキを切断して調製可能であれば1.3 µm / voxel のボクセル分解能でCT撮影できます。

ケーキの断層画像

図2 ケーキの断層画像

ケーキの立体画像

図3 ケーキの立体画像

推奨装置

  • マイクロX線CT CT Lab HX

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