卓上型全反射蛍光X線分析装置 NANOHUNTER II 外国産茶葉浸出液中の微量元素分析

Application Note B-XRF3025

はじめに 

茶葉

茶葉は土壌汚染の影響が懸念されており、ウェエエえええええええq;お茶の消費量が多い日本や、茶葉を外国などからの輸入に頼るヨーロッパでは、浸出液に含まれる有害成分の分析が検討されています。 全反射蛍光X線分析法(TXRF法)は、前処理なしで液体試料を基板に滴下・乾燥するだけで測定することができます。ここでは、外国産茶葉の浸出液の有害元素成分、特にAs,PbおよびCdの微量有害元素の分析例についてご紹介します。

測定・解析例

表1 茶葉浸出液のTXRF分析結果

茶葉浸出液のTXRF分析結果

外国産茶葉を95℃で10分浸出し、浸出液970 μLに対して、5 mg/LのGa内標準液 10 μLおよび、100 mg/LのAg内標準液20 μLを添加しました。調製溶液から10 μLをスライドガラスに滴下、乾燥させて分析に供しました。Gaは18 keV以下の領域のAsおよびPb分析の内標準として、Agは18 keV以上の高エネルギー領域のCd分析の内標準として用いました。浸出液のTXRFスペクトルを図1に、定量分析結果を表1に示します。数百 mg/LレベルのKをはじめ、数 mg/L~数十 mg/LレベルのTi、Mn、Fe、Zn、Rb等の無機成分が検出されました、一方、着目した微量有害元素であるAs、PbおよびCdは(ICP-MSによるAs、Pbの分析値はそれぞれ1.0、0.6 μg/L)、非常に低濃度であるために検出されませんでした。そこで、Pb標準液を20および50 μg/L、Cd標準液を0.5および1 mg/L浸出液に添加してスペクトルを確認しました(図2)。どちらの元素も、添加量に応じてピーク強度が増加することが確認できました。バックグラウンドの標準偏差の3倍から計算されたAs、Pb、Cdの検出下限は、それぞれ1.7、6.4、112 μg/Lと見積もられました。これにより、液体試料の分析法としてTXRF法の利用が期待できます。

外国産茶葉の抽出液のTXRFスペクトル(a)Pb標準液を20および50 μg/L添加、(b)Cd標準液を0.5および1 mg/L添加

図1 外国産茶葉の抽出液のTXRFスペクトル
(a)Pb標準液を20および50 μg/L添加、(b)Cd標準液を0.5および1 mg/L添加

推奨装置

  • 卓上型全反射蛍光X線分析装置 NANOHUNTER II

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