卓上型全反射蛍光X線分析装置 NANOHUNTER II 内標準法による液体中微量元素の分析
Application Note
B-XRF3006
はじめに
全反射蛍光X線分析法(TXRF)は、試料すれすれに入射したX線により表面近傍元素を効率良く励起でき、かつバックグラウンドの原因となる散乱X線がほとんど発生しない測定手法です(図1)。微量液体をガラス等の基板上に点滴し、乾燥させた試料を用いることで、その特徴を活かした微量元素の高感度分析を行うことが可能です。
図1 TXRFの原理
測定・解析例
内標準添加法により、市販の液体標準物質の定量分析を行いました。内標準添加法の操作手順を図2に示します。
図2 内標準添加法手順
(1)未知試料を一定量秤量 (2)内標準溶液を一定量添加
(3)混合 (4)混合試料を一定量秤量 (5)基板に点滴 (6)乾燥
一般に内標準元素は未知試料に含まれない元素を選択します。本測定ではGaを採用し標準溶液を作製しました。内標準元素濃度は10 ppmに調製しました。
混合溶液を点滴乾燥させて測定した結果を図3に示します。再現性の良いスペクトルが得られています。内標準元素の含有量を基準として、相対感度係数にて定量した結果を表1に示します。標準値と比較して良好な結果が得られています。
内標準添加法を用いることで、水溶液中の微量元素の定量分析を容易に行うことが可能です。排水などの環境分析や飲料などの不純物分析に活用できます。
図3 内標準を添加した液体試料のスペクトル
表1 定量分析結果
推奨装置
- 卓上型全反射蛍光X線分析装置 NANOHUNTER II