卓上型全反射蛍光X線分析装置 NANOHUNTER II 高感度TXRFによる液体中微量元素の分析

Application Note B-XRF3001

はじめに

全反射蛍光X線分析法(TXRF)は、試料すれすれに入射したX線により表面近傍元素を効率良く励起でき、かつバックグラウンドの原因となる散乱X線がほとんど発生しない測定手法です(図1)。微量液体をガラス等の基板上に点滴し、乾燥させた試料を用いることで、その特徴を活かした微量元素の高感度分析を行うことが可能です。

TXRFの原理

図1 TXRFの原理

測定・解析例

ガラス基板にAsおよびSeを10 ppb含む水溶液をマイクロピペットにてそれぞれ10 L点滴し(図2)、成分の揮散を防ぐため減圧乾燥機を用いて乾燥させた試料を測定したチャートを示します(図3)。TXRFの特長である低いバックグラウンド上に、ブランクガラスとの差が明確なピークが確認できます。

点滴乾燥手順

図2 点滴乾燥手順

スペクトルから計算された検出下限はAsおよびSeに対してそれぞれ約0.8 ppbとなります。ヒ素/セレンおよびそれらの化合物の水質基準は元素換算で0.01 mg/L (10 ppb)以下(1),(2)と規定されていますので、本手法は水質検査に適用可能です。

一般にTXRFにおける液体分析では内標準法による定量を行います。試料に含まれていない、例えばGaやYなどの元素を一定量添加し、相対感度計数を用いて定量分析を実施します。

水溶液中の10 ppb AsおよびSeのスペクトル

図3 水溶液中の10 ppb AsおよびSeのスペクトル

参考文献:    (1)厚生労働省 水質基準項目と基準値(51項目)
(2)環境省 地下水の水質汚濁に係る環境基準について

推奨装置

  • 卓上型全反射蛍光X線分析装置 NANOHUNTER II

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