シリコン系負極におけるLi/Si比·けい酸塩の組成分析

Application Note BATT1020

はじめに

Si系負極材料は、電極反応にアモルファス化や副反応を伴うため、化学状態や化合物の把握が、分析が難しい材料の一つです。 SiのXESスペクトルはSiの化学状態や化合物種により異なるプロファイルを示します。このプロファイル変化を解析することで、Siの化学状態分析が可能です。

構成分析

  • 分析: 負極材
  • 用途: 研究開発
  • 分析材料:  Si金属負極、SiO負極
  • 使用機器:  XES Chimica
  • 解析手法:  線形結合フィッティング

batt1020 figure 1

SiO-Cコンポジット負極の初回充放電時のSi KβXESスペクトルを示します。結晶Si(c-Si)、アモルファスSi(a-Si)、Li₃.₇₅Si(Li-Si)、SiO、Li₄SiO₄の標準スペクトルを用いて、線形結合フィッティング(LCF)を行いました。

未充電時、SiOはa-SiとSiO₂から構成されていますが、充電によって、Li-SiとLi₄SiO₄が生成され、サイクル後に、a-SiとLi₄SiO₄が生成されていることを把握できました。

結論

実験室系のXES装置で、Si化合物の状態分析が可能です。Si系負極の電極反応解析や劣化解析に応用できます。

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