全固体電池セルを用いた充放電-XRD測定

Application Note BATT1017

はじめに

全固体Naイオン電池は、全固体Liイオン電池では難しい低コスト化·急速充放電性能の実現を期待されている次世代電池です。全固体電池を動作させる場合、固体内をイオンが動きやすくするため、圧力をかけ続ける必要があります。全固体電池に圧力をかけながら充放電できるセルを用いて、オペランドXRD測定による全固体Naイオン電池の挙動を確認できます。

  • 材料: 電池
  • 用途: 研究開発
  • 分析材料:  全固体Naイオン電池
    (正極TiS₂,固体電解質Na₃PS₄,負極)
  • 使用機器: SmartLab
  • 解析手法: オペランド測定

batt1017 figure 1

Figure 1: 経過時間 vs 2 θ (色はX線強度)と
充放電プロファイル(図中)


batt1017 figure 2Figure 2: 全固体電池ペレットのイメージと圧力条件

充放電に伴い、正極TiS2が下記の変化を示しました。

TiS₂ → Na₀.₅₅TiS₂に相転移

(i) Na₀.₅₅TiS₂ → NaTiS₂に格子定数変化
(ii) NaTiS₂ → NaxTiS₂ (x < 0.55)に格子定数変化
(iii) NaxTiS₂ NaTiS₂ からの格子定数の変化
(iv) 未反応のTiS₂が部分的に存在した

結論

オペランドXRD測定により、全固体Naイオン電池において、圧力をかけながら充放電に伴う結晶相変化と格子定数変化を測定できます。

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