リチウムイオン電池捲回体の巻きずれ確認および 陽極オーバーハング解析

Application Note BATT1009

はじめに

リチウムイオン電池セルの異常発熱を防止するには、製造工程における捲回体の巻きずれの確認および陽極オーバーハングの評価が重要です。

これらの評価には、2次元X線透視装置が一般的に使用されますが、平面一方向からの評価となり、試料全体を3次元で評価することはできません。一方、X線CTは、試料内部の状態を3次元的に非破壊で観察でき、また画像解析ソフトウェアを用いて、試料全体の測長や各材料の形状を定量的に評価することも可能です。

構成分析

  • 分析: 電池
  • 用途: 品質保証
  • 分析材料:  18650型リチウムイオン電池
  • 使用機器: CT Lab HV
  • 解析ソフト: VGSTUDIO MAX

batt1009 figure 1

Figure 1: 断層画像


batt1009 figure 2

Figure 2: 陽極オーバーハング解析

結論

18650型リチウムイオン電池全体をCT撮影し、陽極オーバーハング解析を実施しました。捲回体の内部と外部で巻きずれが大きいことを確認でき、電池セル外側の陽極において高い曲率を示していることを把握できました。これらの結果から、捲回体作製条件の見直しやケースに封入する捲回体サイズ等を検討できます。

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