シリコン金属負極材の不純物分析

Application Note BATT1008

はじめに

負極材として用いられるSi金属は、シリコンウエーハ屑からリサイクルされることが多いため、受け入れ時の不純物管理が必須です。XRFは、非破壊で粉末のままppmオーダーの元素分析が可能です。EDX(エネルギー分散型)では困難なSiマトリクス中の微量Al不純物も、WDX(波長分散型装置)を用いることで精度よく分析できます。

構成分析

  • 分析: リサイクル原材料
  • 用途: スクリーニング
  • 分析材料:  Si金属負極
  • 使用機器: Supermini200
  • 解析手法: スタンダードレスFP法

WDXRF

batt1008 figure 1_ja

EDXRF

batt1008 figure 2_ja

Figure 1: WDXとEDXのAlスペクトル比較


Table 1: 電極グレードSi粉末のスタンダードレスFP分析結果

元素

Al (ppm)

Fe (ppm)

Ca (ppm)

分析値

1754

832

270

結論

XRF分析の結果、Al、Fe、Caの不純物が検出されました。同試料のEDXスペクトルでは、SiピークのすそにAlピークが重なり、微量の分析は困難となります。WDXのスペクトルでは、重なりのないピークが得られ
るため、微量のAlも分析が可能です。

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