アプリケーションノート BATT1007
はじめに
負極材として用いられる黒鉛において、金属不純物は内部短絡や特性低下の要因となるため、厳しい濃度管理が必要です。XRFはB~Cmの広い元素範囲で、 ppm オーダーの微量元素分析が可能です。非破壊で粉末のまま測定できるため、迅速に再現性の高い分析結果が得られます。
構成分析
- 分析: 中間原材料
- 用途: 品質保証
- 分析材料: 黒鉛負極
- 使用機器: ZSX PrimusIV
- 解析手法: スタンダードレスFP法
Table 1: 市販の黒鉛試料のスタンダードレスFP分析結
| 
 Sample | 
 Na | 
 Mg | 
 Al | 
 S | 
 Ca | 
 Fe | 
 Zr | 
| 
 A | 
 83 | 
 249 | 
 28 | 
 38 | 
 73 | 
 39 | 
 13 | 
| 
 B | 
 N.D. | 
 975 | 
 24 | 
 2958 | 
 41 | 
 6 | 
 N.D. | 
| 
 C | 
 81 | 
 242 | 
 42 | 
 76 | 
 81 | 
 180 | 
 4 | 

Figure 1: ルースパウダー法による試料調製
結論
高濃度なS不純物成分が試料Bから多く検出され、Fe不純物成分が試料Cから多く検出されました。XRF分析は、試料粉末を容器に充填するだけの簡単な試料調製で測定が可能です。
EDXと比べて、WDXは、Na、Mgなどの軽元素でも高感度が得られるため、広範囲の元素に対して、信頼性の高い分析値を得ることができます。
 
      