ニッケルラテライトの組成分析
Application Note
BATT1004
はじめに
ニッケルラテライト鉱物において、鉱石品位を決めるNiおよびCo、さらに鉱物の精錬法決定の指標となるFeおよびMgの定量分析には、高い信頼性が要求されます。これらの元素の定量分析には、ICP分析を用いるのが一般的ですが、XRF分析を用いれば,より迅速、簡便に同様の分析ができます。
構成分析
- 材料: 原材料
- 用途: 品質保証
- 分析材料: ニッケルラテライト鉱物
- 使用機器: Supermini200
- 解析手法: マトリックス補正検量線
Figure 1: ニッケルラテライト鉱物標準試料の粉末プレス法による検量線
Table 1: XRFによる組成分析結果
元素 |
標準値 |
分析値 |
Ni |
1.02 |
1.01 |
Co |
0.0899 |
0.0873 |
Fe |
25.57 |
27.88 |
Mg |
1.81 |
1.91 |
結論
コンプトン散乱線内標準法とFP法を組み合わせたマトリックス補正により、正確度の高い検量線が得られました。また、分析値は標準値とほぼ一致しました。この結果から、ICP分析で必要な酸溶解などの複雑な前処理なしで、粉末のまま迅速に、信頼性の高い鉱物組成を得られることがわかります。