6月号のクイズの答え合わせをしよう!
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Q1:高分子材料の内部構造評価において、X線CTは光学顕微鏡や電子顕微鏡と比べて、どのような特長がありますか?
A1:従来の光学顕微鏡や電子顕微鏡は、主に試料表面の観察にとどまり、内部構造の確認には試料の切断が必要でした。
一方、X線CTは試料を破壊することなく、高分子材料の内部構造を三次元的に観察できる点が最大の特長です。
これにより、外観からは確認できないボイドやクラック、繊維の分散・配向、異物、空隙のサイズ分布、厚みのばらつき、形状の偏差といった情報を、画像化・定量化することが可能になります。
さらに、X線CTでは加熱や加圧などの環境下における構造変化(経時変化)を非破壊で追跡できるため、材料開発や耐久性評価にも活用されています。
Q2:コントラストが得にくい高分子材料をX線CTで鮮明に観察するために有効な技術は何ですか?
A2:X線CTで低密度な高分子材料を高コントラストに観察するためには、以下の技術が有効です:
- 低エネルギー特性X線を使用すること
- 位相回復技術(Phase Retrieval)を適用すること
これらの技術により、従来は困難だった微細構造の視認性が向上します
Q3:X線CTは、材料開発や品質保証におけるどのような課題解決に貢献すると考えられていますか?
A3:高分子材料では、内部構造(ボイド、クラック、繊維配向、形状偏差など)の不均一性が、機械的強度や製品の信頼性に大きな影響を与えることがあります。
X線CTは、そうした内部構造を非破壊かつ三次元で可視化・定量評価できるため、
- 材料開発段階での配合最適化
- 品質保証工程での欠陥検出
- 長期使用時の変化(経時変化)の評価
といった用途で、課題解決に貢献します。
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