マイクロX 線CT による鋳巣の可視化とサイズ算出

Application Note B-XRI1011

はじめに

鋳造(ダイカスト)では、鋳造品内部に鋳巣と呼ばれる空洞が発生することがあります。鋳型の劣化や、鋳型の変更に伴う湯流れの変化により鋳巣の部位や形状が変化することから、実際の鋳造品で鋳巣の状態確認が求められ ます。鋳造品をCT撮影することにより内部まで再現した立体画像が得られ、非破壊で鋳巣の位置とサイズを解析 できます。ここではマイクロX線CTを用い、鋳造品内部の鋳巣のサイズを解析しました。

測定・解析例 

マイクロX線CTでアルミ鋳造品を撮影し、CT再構成しました。CT再構成結果から任意の位置(正面、側面、上面  方向)で断層画像を確認することができます。図1には高速撮影(18秒)した鋳造品の断層画像を示しました。灰色に写るアルミ鋳造品内部に黒色の鋳巣が確認できます。図2には撮影データ(17分)の解析結果を示しました。ここでは輝度値の違いに基づいて鋳巣の大きさを解析し、同体積の球の直径として3次元画像上に色分けしました。鋳巣が鋳物の広範囲に分布していることがわかります。このようにマイクロX線CTでは、短時間で鋳造品内部の鋳巣を可視化し、サイズ解析することができます。

アルミ鋳造品の断層画像

図1 アルミ鋳造品の断層画像

3次元画像上での鋳巣の可視化(同等直径の色分け)

図2 3次元画像上での鋳巣の可視化(同等直径の色分け)

推奨装置

  • 3DマイクロX線CT CT Lab HX

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