デスクトップX線回折装置を用いた鉄鉱石の結晶相同定
Application Note
B-XRD1061
はじめに
X線回折法は元素の種類ではなく鉱物種の同定ができることから、鉱脈や油脈の調査にも利用されています。鉄鋼の原料となる鉄鉱石は、産地毎に含まれる鉱物の種類が異なる場合があります。そこで、可搬デスクトップX線回折装置により、各地の鉱山で採掘された鉄鉱石に含まれる鉱物の結晶相を同定しました。
測定・解析例
図1に、産地の異なる鉄鉱石のX線回折プロファイルと、データベースに収録されている鉱物の標準プロファイルの比較を示します。また、表1には結晶相の同定結果をまとめます。いずれの鉄鉱石もHematite(Fe2O3)を含みますが、地域によって構成する鉱物種が異なることがわかりました。
図1 産地の異なる鉄鉱石のX線回折プロファイルと各鉱物の標準プロファイルの比較
(オフセット表示をしています)
表1 各鉄鉱石の結晶相同定結果
South Africa |
Hamersley - Australia |
Rompin - Malaysia |
Hematite, Fe2O3 Quartz, SiO2 |
Hematite, Fe2O3 Quartz, SiO2 Kaolinite, Al2Si2O5(OH)4 |
Hematite, Fe2O3 Quartz, SiO2 Kaolinite, Al2Si2O5(OH)4 Goethite, FeO(OH) Magnetite, Fe3O4 |
推奨装置・ソフトウェア
- デスクトップX線回折装置 MiniFlex + 高速1次元X線検出器 D/teX Ultra2
+ X線分析統合ソフトウェア SmartLab Studio II (Powder XRDプラグイン)